(28日、第107回全国高校野球選手権兵庫大会決勝 東洋大姫路7―6報徳学園)
「力んだ投球になっていた」
東洋大姫路のエース木下鷹大(ようた)投手(3年)は、そう振り返った。
22日の明石商戦で完封。この日は中5日での登板だった。だが疲れが抜けきらず、直球にいつもの勢いがない。そこを相手打線に狙われ、六回までに5点を失った。
そこでチェンジアップや内角の変化球を効果的に使い、七回と八回はいずれも三者凡退にした。
しかし、九回は2死走者なしから連打で1点差に迫られた。
さらにピンチを招いたが、最後は中軸打者を低めのチェンジアップで右飛に打ち取った。
ピンチに陥ると思い出すのは、今春の選抜大会だ。2回戦は広島商打線にたたみかけられ、二回に6点を失った。その悔しさをバネに、一度に大量失点しない安定したコントロールを心がけてきた。ピンチの場面を想定して、きわどいコースに投球する練習を何度も繰り返してきた。
「甲子園はスタートライン。仲間と気持ちを一つにして全国制覇をつかみたい」